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1/700 艦NEXT 大和 その1
(艦NEXTとは)

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1.艦NEXTとは

皆様はプラモデルを製作していますか?
艦船プラモデルメーカーだと、アオシマ、タミヤ、ハセガワ、ピットロード、フジミ(あいうえお順)が主流で、艦船プラモデルを造られている方の多くはこれらのメーカーの製品を使われていると思います。
最近はミリタリー系プラモデルも活気を取り戻しつつあり、新金型や再考証版の製品発表が続いております。

私はHP開始後にプラモデルも製作を始めました。
断っておきますがへたくそです。
もともと不器用に不器用を掛け合わせたような者なので、むしろよく造ってるなというぐらいです。
図工とかマジで苦手でした。

本ページ作成直前である2019年10月に完成した『フジミ 1/700 高雄 フルハルモデル』の写真を掲載しておきます。
きわめて普通です、説明書通りに造っています。

さて、もうそこそこ前になりますが、フジミが2015年3月に全く新しい様式のプラモデルを発売しました。
「艦NEXT(ふねねくすと)」というもので、プラモデルを製作する上で欠かせなかった要素の『塗装』『接着』の手間を省くという画期的なスタイルで話題を呼びました。

お手軽に艦船プラモデルを造りたいという人にとっては大変うれしい商品です。
また、これまで艦船プラモデルに興味があってもいろいろハードルが高くて踏み切れなかった方々にもおススメでしょう。

今回どうしてこんなページを作ったかと言いますと、端的に言えば「プラモデラー増えたらいいな」という思いだけです。

うちのHPに来てくれている方々は多少なりとも艦船に興味を持ってくれているわけです。
そしてせっかくここまで興味持ったんですから、読書でも史跡巡りでも調査、取材でも再現でも、次のステップへ進んでほしいじゃないですか。

上手い人が造るのではなく、まだ序ノ口程度の実力の人が「艦NEXT」を造ったらどうなるか、そしてどうやって造るのかをお伝えできればと思っています。

さて、話を戻して「艦NEXT」で不要になといわれる『塗装』と『接着』。
この『塗装』と『接着』を省くということが、どれだけプラモデル製作においてお手軽になるか、説明していきましょう。

その1:塗装が不要になると嬉しいこと

プラモデルでかなりの神経と時間を使うのがこの塗装です。
もちろん細部にこだわる場合は造形だの加工だの張り線、エッチングパーツ、ウェザリング、ウォーターラインモデルの場合はさらに洋上再現などもあってキリがないのですが、無塗装で組まない限りは塗装は絶対に必要です。
そしてこの塗装がとにかく大変なのです。

まず筆塗りの場合は、細かな塗分けが難しく、また重ね塗りを行って色ムラが起こらないようにする必要があります。
筆そのものも、手入れを怠るとすぐに傷んでしまいますから、頻繁な洗浄やメンテナンスは欠かせません。

さらに塗装箇所によって数種類を使い分ける必要があって、手に馴染むかどうかとか、持ちがいいとかいろいろ試行錯誤が必要です。
あとは時々馴染んでいた筆が生産終了になって困った、という声も耳にします。

続いてエアブラシ塗料の場合は、とにかく初期投資がかかります。
性能やセット内容で金額は大きく変わりますが、数万円は普通にかかります。

他にも塗装ブースや換気を十分できる環境、音と振動による近所への配慮など、いろいろ考えることが多いです。
筆と違って長く使い続けるものですから、筆よりもより念入りにメンテナンスを行わないと、修理や交換といったことでもっとお金がかかる可能性もあります。

その分色ムラの心配もなくなり、また塗装時間も格段に削減できますのでメリットも大きいですが、やはり金額がネックと言わざるを得ません。
また当然ながらエアブラシだけでは塗装が難しい個所もあるため、エアブラシ派でも筆のデメリットを負う必要があります。

折衷案とも言える缶スプレーですが、これは色を希釈させたり他の色と混ぜることができないという問題があります。
細かな色作りをされない場合は問題ではないのですが、噴射量と広さが一定で厚塗りになりがち、また温度の関係で綺麗に噴射されない場合があったり、あと結構すぐになくなってしまうということもあります。

そして全体を通じて、マスキングが必要となります。
マスキングとは、色を塗る場所、塗らない場所を区別して、塗らない場所にマスキングテープなどを貼って色がつかないようにする作業です。

これがめちゃくちゃ大変で、こんな小さな場所でもここは塗っていい、ここは塗っちゃダメという塗分けのためにテープを細かく刻んで地道に貼っていくのです。

特に大きな構造物付近には現実だと人2人分ぐらいしか隙間がない距離でもろもろが設置されたりします。
この場合、床の色、構造物の色にするためにはこの隙間にシールを貼る必要があります。
超時間かかります。

しかし「艦NEXT」は、これらの障害を全て排除してくれます!
だって塗る必要がないから。

私はエアブラシを使っていますが、マスキングがなくなるだけでも凄く嬉しいです。
また、上には書いていませんが、筆とエアブラシの場合は当然塗料もいるわけです。
この塗料が、しょっちゅう使うものもあれば、ぜんっぜん使わなくて滅茶苦茶あまるものもあります。
そのような問題も全部解決してくれます。

その2:接着がなくなると嬉しいこと

この辺りは塗装に比べるとメリットは薄いのですが(というか塗装不要のメリットが大きすぎる)、設置する場所が全部はっきりしているので、どれぐらいの位置に取り付ければいいのか迷う必要がありません。
船体に取り付けるパーツについては、船体側に穴があけられていて、パーツの突起をそこに取り付けるというケースがあります。
しかしそれはかっちりハマるわけではなく、ほとんどはそのあと接着剤で固定する必要があります。
また、パーツ同士の組み合わせの場合は接着させるのが普通です。

これが細かいしきちんと接着させるために安定させる必要がある他、ズレてしまって外すときにもう一度手入れが必要だったりと、細かい部分ではなかなか気を遣う作業です。

また、接着剤が多いと接着の際に接着剤が溢れてしまって変なでっぱりや光沢ができてしまう場合もあります。
これがすぐに取れないので、削ったりぬぐったりしてもう一度塗装しなおすということにもなりかねません。
塗装も当然ですが、接着もまた丁寧に根気よくしなければならない作業なのです。

といった感じで、「艦NEXT」は時間を使うところ、気を遣うところの多くから解放してくれる大変ありがたい商品なのです。
プラモデルはどこまでをこだわってどこまでを妥協するかで時間も質も変わってきますが、「艦NEXT」は一定以上の質を保ちつつ時間を削減してくれる商品と言えるでしょう。

さて、「艦NEXT」を絶賛したところで、次はプラモデルを造るための準備をご説明いたします。

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※1 当HPは全て敬称略としております(氏をつけるとテンポが悪いので)。

※2 各項に表記している参考文献は当方が把握しているものに限ります。
参考文献、引用文献などの情報を取りまとめる前にHPが肥大化したため、各項ごとにそれらを明記することができなくなってしまいました。
勝手ながら今は各項の参考文献、引用文献をすべて【参考書籍・サイト】にてまとめております。
ご理解くださいますようお願いいたします。