基準排水量 | 1,440t |
水中排水量 | 2,215t |
一番艦竣工日 | 伊号第三百七十三潜水艦 |
昭和20年/1945年4月14日 | |
同型艦 | 1隻竣工、1隻未成 |
全 長 | 74.00m |
最大幅 | 8.90m |
主 機 | 艦本式23号乙8型ディーゼル 2基2軸 |
最大速度 | 水上 13.0ノット |
水中 6.5ノット | |
航続距離 | 水上 13ノット:5,000海里 |
水中 3ノット:100海里 | |
馬 力 | 水上 1,750馬力 |
水中 1,200馬力 |
装 備 一 覧
備 砲 | 8cm連装迫撃砲 2基4門 |
25mm連装機銃 3基6挺 | |
25mm単装機銃 1基1挺 | |
魚雷/その他兵装 | な し |
短距離輸送用の丁型改 1隻のみの【伊373】は終戦前日に没す
「潜輸大型」が着実に竣工していく一方で、輸送量の少なさに直面していた海軍は「潜輸大型」から魚雷発射管を取っ払い、そこも輸送スペースにしてなんとか輸送量の増加を図っていました。
やりくりしながらも「改マル5計画」で計画された11隻が昭和19年/1944年10月までに竣工し、続いて昭和18年/1943年に計画された「戦時計画」の7隻の建造が始まります。
このうちの1隻が「潜輸大型」の最終艦【伊372】で、11隻の基本計画番号が「S51」なのに対し、【伊372】だけは「S51B」となっております。
そして残りの6隻はさらに輸送量を改善した「S51C」に分けられることになり、この「S51C」の船を「丁型改」(丁型は「潜輸大型」のこと)と呼びます。
「丁型改」は、悲しいかな、もう遠出をすることがなくなったことから逆に航続距離を縮めて搭載量を増やすというものでした。
輸送量はガソリン(航空燃料?)を150t追加、さらに物資搭載量も20t増えた110tとなっています。
このガソリン搭載については竣工後の追加工事によるもので、計画当初からの案ではなかったようです。
代わりに水上航続距離が10ノット:15,000海里だったものが13ノット:5,000海里と激減しています。
この航続距離は日本とシンガポールの往復(約2,650海里)ができないほどの短さです。
また、備砲は14cm単装砲から簡素な8cm連装迫撃砲へと変更されています。
この迫撃砲は敵艦に砲撃をするというよりも、発煙筒を打ち上げるようのものだったらしく、哨戒機からの攻撃を避けるための煙幕展張用に装備されました。
「丁型改」はまず【伊373】が起工、そして昭和20年/1945年4月に竣工しましたが、残念ながら後が続かず、【伊374】は【伊373】竣工の3日後に工事が中止、そしてあとは起工もされることなく増備は頓挫してしまいます。
唯一の存在となった【伊373】は、8月9日に台湾への輸送のために佐世保を出撃。
しかし初の出撃は14日深夜に【米バラオ級潜水艦 スパイクフィッシュ】に捕捉されてしまい、日が昇る直前に魚雷2発を受けて沈没。
「丁型改」はなんの功績も残すことができず、終戦の前日に短い歴史に幕を下ろしました。
同 型 艦
伊号第三百七十三潜水艦 | 伊号第三百七十四潜水艦 (未成) |