口径と砲身長

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【口径】とは、砲や銃の砲身内径を表す言葉である。
ただし特に砲の場合は、正式名称を拾い上げると口径には二つの意味が存在するので注意が必要である。

まず、わかりやすい機銃から説明をする。
多くの艦艇で採用された「九六式25mm高角機銃」
口径はまさしく25mmで、そして≒弾丸の直径であった。
この場合は特に難しく考える必要はない。

ちなみに「九六式」とは、皇暦2596年に採用されたことから、下二桁を兵器に付けている。
陸海軍ともに多くの兵器の正式名称には皇暦の下二桁が付けられている。
例えば「零式艦上戦闘機」の「零」は、皇暦2600年(西暦1940年)に制式採用されたために「零」となっている。
ただ、面倒なことにすべての兵器の「式」が皇暦ではなく、年号の数字を採用しているケースも有る。
例えば下記のように、「大正三年」の「三」を元に「三式」として兵器名称に付けられていることもある。

続いて砲の場合だが、「長門型」が搭載した40cm連装砲を例に上げる。
正式名称は「45口径三式40cm連装砲」という。
ちなみに、正式名称は40cm連装砲となっているが、実寸内径は41cmであるから、41cm連装砲と呼ばれることもある。
このケースは20cm連装砲(実寸内径20.3cm)、36cm連装砲(実寸内径35.6cm)などでも見られる。
しかし例題の数字と説明が合わないのはまずいので、本項では正式名称の数字を採用する。

機銃の例に倣えば、40cm連装砲の内径は40cmである。
では最初の「45口径」とは何か。
ここではじめて「砲身長」という言葉が登場する。
ここでいう「45口径」とは、より正確に言えば「45口径長」であり、口径長は砲身長を算出するための数字になる。

しかし単に砲身の長さが45cmというわけではない。
この表記の場合は、口径とcmの数字を掛ける必要がある(正確には、砲身長から砲弾の直径を割った数字が口径の前に付く)。
40cm連装砲の場合は、40×45=1800cm=18m、つまり砲身長は18mとなる。

解読すると、「45口径三式40cm連装砲」

・内径実寸≒砲弾直径40cm
・砲身長18m

の砲であることが読み取れる。

なので、「口径」と書かれていない数字が『口径』であり、「口径」と書かれている数字は『砲身長』を算出するための数字である。
そのため、もっと砲弾の小さな砲でも50口径、60口径というものも存在する。
軽巡時の「最上型」等に搭載された主砲は「60口径三年式15.5cm3連装砲」(砲身長=155×60=9.3m)であるなど、砲弾の直径と口径の数字のアンバランスさは気にする必要はない。

砲身の長さはできるだけ長いほうが、弾速も速くなるため回避が難しく、命中率が上がる。
また飛距離も伸びるため、各国は砲弾を大きくすることと同時に、砲身長もまたより長くする努力を続けた。
その最高峰が、未だ世界最大の主砲である「大和型戦艦」搭載の46cm三連装砲である。
46cm三連装砲は45口径であるから、砲身長は約21mとなる。