基準排水量 | 2,095t |
水中排水量 | 3,644t |
一番艦竣工日 | 伊号第五十二潜水艦 |
昭和18年/1943年12月28日 | |
同型艦 | 3隻 |
全 長 | 108.70m |
最大幅 | 9.30m |
主 機 | 艦本式22号10型ディーゼル(過給器付き) 2基2軸 |
最大速度 | 水上 17.7ノット |
水中 6.5ノット | |
航続距離 | 水上 16ノット:21,000海里 |
水中 3ノット:105海里 | |
馬 力 | 水上 4,700馬力 |
水中 1,200馬力 |
装 備 一 覧
備 砲 | 40口径14cm単装砲 2基2門 |
25mm連装機銃 1基2挺 | |
魚雷/その他兵装 | 艦首:53cm魚雷発射管 6門 |
搭載魚雷 17本 |
量産向けの丙型改はたった3隻 その3隻は辛労辛苦の一生
「丙型」が「甲、乙型」ではなく実は「巡潜三型」の流れに沿った設計であることは「丙型」の項目で述べています。
ならばこの「丙型改」はどうなのか。
「丙型改」は今度こそ「乙」の流れを汲んだもので、「丙型」だけがやはりこのネーミングの中では異質な存在なのがわかります。
より正確に言えば、「丙型改」は「乙型改二」の設計をベースとして、そこから航空兵装を外したようなものです。
「乙型改一」と「改二」の違いは搭載ディーゼルですが、「丙型改」も「乙型改二」と同じ艦本式22号10型ディーゼルを搭載しています。
もちろん量産性を高めるためで、これにより速度は低下、航続距離が向上という点も「乙型改二」と同じです。
両者の相違点は、航空兵装の有無の他にはそれに付随した砲撃兵装の違いもあります。
格納庫やカタパルトがないために「丙型改」は主砲を1門増備しています。
実は「丙型」は「丙型改」のように主砲は増備されておらず、航空兵装がないのに1門のままでした。
しかし一方で、魚雷兵装も「乙型改二」とまったく同じとなっています。
すなわち6門17本で、これは「丙型」よりも確実な攻撃力低下でした。
つまりこの部分を「丙型」に寄せる間もない程窮地に陥っていたということです。
6門の魚雷発射管を8門に増やすには当然設計を多少なりとも見直さなければなりませんが、船型そのものに大きな影響が出る艦首部分の再設計の余裕はありませんでした。
「マル追計画」で建造が決定した「丙型改」ですが、その実竣工までに至ったのはたったの3隻。
4隻目の【伊57】は1943年の段階で建造の中止が決定しています。
【伊52】は5回目の遣独潜水艦作戦に失敗、【伊55】もテニアン島へ向かう最中に撃沈され、2隻とも初任務で沈没するという悲惨な一生でした。
唯一生き残った【伊53】は主に「回天」攻撃任務を任されましたが、幾度となく爆雷攻撃を受け続けて沈没を目前にしながらもそれを振り払い、生還を果たしています。
同 型 艦
伊号第五十二潜水艦 | 伊号第五十三潜水艦 | 伊号第五十五潜水艦 |