基準排水量 | 998t |
水中排水量 | 1,301t |
一番艦竣工日 | 呂号第六十潜水艦 |
大正12年/1923年9月17日 | |
同型艦 | 9隻 |
全 長 | 76.20m |
最大幅 | 7.38m |
主 機 | ヴィッカース式ディーゼル 2基2軸 |
最大速度 | 水上 15.7ノット |
水中 8.6ノット | |
航続距離 | 水上 10ノット:5,500海里 |
馬 力 | 水上 2,400馬力 |
水中 1,600馬力 |
装 備 一 覧
備 砲 | 28口径7.6cm単装高角砲 1基1門 |
魚雷/その他兵装 | 艦首:53cm魚雷発射管 6門 |
搭載魚雷 12本 |
「L型」一の大型大所帯 太平洋の海で戦い続ける齢20の老兵達
「L四型」は「L型」最終型になりますが、これまでの「L型」とは異なり大型化しているのが特徴です。
「ワシントン海軍軍縮条約」の締結によって、日本を含めた諸外国は条約の制限のない船の大型化、強力化を進めるようになり、当然その中には潜水艦も含まれていました。
「L四型」は「特中型」と共に、一等潜水艦の増強へ舵を切る海軍にとって一つの区切りとなってしまいます。
その方針転換を受けて、この「L四型」も前述の通りこれまでの設計を改めて大型化してます。
水上排水量は二等潜水艦ギリギリいっぱいの998tとなっていて、これは艦そのもののサイズもそうですが、艦橋などの構造物の大型化も影響しています。
しかし機関はこれまでと同じヴィッカース式ディーゼルを採用しているので、当然速力は落ちます。
最大速度は15.7ノットにまで低下してしまい、これは仕様上14ノット走行がやむを得なくなった「F二型」、そして速度減は覚悟のうえで航続距離の延長を図った「特中型」を除けば二等潜水艦中最も遅い速度です。
大型化した分、内部にも新しい設備が備わっています。
「L三型」では電池用の冷却機が搭載されましたが、「L四型」ではさらに主電動機の冷却機も設置され、パワーも25,000キロカロリー×2台に増大しています。
他にはガス漏れ対策として空気清浄装置も配備されました。[1-P224]
艦首の魚雷発射管も6門に増加。
搭載魚雷はこれで12本となり、二等潜水艦の中では最も攻撃力に優れる存在となっています。
「L四型」は「L型」最大の9隻が竣工。
一番艦の【呂60】は大正12年/1923年竣工なのですが、なんと9隻全艦が太平洋戦争で戦場に出向いて戦っています。
しかし【呂66】がウェーク島付近でスコールの中突如現れた【呂62】と衝突して沈没。
【呂60】もウェーク島偵察中に哨戒機の攻撃を受けて潜航ができなくなり、その後クェゼリン環礁で座礁の末放棄されるなど、ウェーク島付近で3隻が被害を受けています。
9隻中5隻が戦没していますが、大破の結果復旧負荷と判断されて除籍となった【呂67】以外の3隻は現役のまま終戦を迎えています。
その【呂67】も除籍となったのは昭和20年/1945年7月と、艦齢20年の古強者は最後の最後まで仲間と共に日本防衛のために戦い続けていました。
同 型 艦
呂号第六十潜水艦 | 呂号第六十一潜水艦 | 呂号第六十二潜水艦 |
呂号第六十三潜水艦 | 呂号第六十四潜水艦 | 呂号第六十五潜水艦 |
呂号第六十六潜水艦 | 呂号第六十七潜水艦 | 呂号第六十八潜水艦 |
参照資料(把握しているものに限る)