改良中のため、挙動・表示がおかしくなる場合がございます。
また状況によっては元のスタイルに戻す場合がございます。

広告

如月【睦月型駆逐艦 二番艦】

2018年2月3日

起工日大正13年/1924年6月3日
進水日大正14年/1925年6月5日
竣工日大正14年/1925年12月21日
退役日
(沈没)
昭和16年/1941年12月11日
ウェーク島の戦い
建 造舞鶴海軍工廠
基準排水量1,315t
垂線間長97.54m
全 幅9.16m
最大速度37.25ノット
馬 力38,500馬力
主 砲45口径12cm単装砲 4基4門
魚 雷61cm三連装魚雷発射管 2基6門
機 銃7.7mm単装機銃 2基2挺
缶・主機ロ号艦本式缶 4基
艦本式ギアード・タービン 2基2軸

広告

開戦からわずか3日後に沈没 爪痕を残せなかった如月

【如月】は竣工当初は「第二十一号駆逐艦」と呼ばれ、昭和3年/1928年8月1日に【如月】と改称されます。
【如月】【睦月】【卯月】【弥生】とともに第三〇駆逐隊を編成。
「第一次・第二次上海事変」でともに出撃しており、第三艦隊の下で活躍しました。

太平洋戦争では所属する第四艦隊で「ウェーク島の戦い」に出撃します。
開戦からわずか3日後のことでした。
ウェーク島はマーシャル諸島(当時日本の委任統治領)とミッドウェー島の間あたりに存在し、マーシャル諸島を運用する上で確実に横槍を入れる拠点となるウェーク島は放置できない存在でした。

このウェーク島攻略を任された第四艦隊ですが、艦隊とは言うものの、はっきり言って戦力は弱い方でした。
ほとんどの艦は大正~昭和初期生まれで、巡洋艦は【夕張】「天龍型」だけ、最新の【鹿島】は旗艦ではありますがそもそも練習巡洋艦です(【鹿島】は同作戦出撃せず)。
このように第四艦隊は貧弱な水上戦力でウェーク島の攻略を支援しなければならなくなったのです。

8日、ウェーク島はまずはマーシャル諸島から飛び立った「九六式陸上攻撃機」34機によって攻撃が仕掛けられました。
戦争が始まったなんて思っていないアメリカの「F4F ワイルドキャット」はゆっくりと上空警戒を行っていましたが、その遥か下、高度450mという高度からの爆撃でウェーク島は爆音に晒されます。
飛行場の機体はほとんどが破壊損害を受けましたが、目が覚めたアメリカの行動は迅速で、すぐに動かせる機体を探し出し5機の「F4F」を修理しました。
2回目、3回目の爆撃ではこの「F4F」の反撃と対空砲火の突き上げによってさほど満足のいく戦果を得ることができませんでした。

第四艦隊はこの1回目の爆撃が行われた後にクェゼリン環礁を出発。
3回の爆撃を受けたウェーク島の被害は相当なものだろうと想定され、あとは陸戦隊による上陸作戦を完遂させるだけです。
しかしこの2回目・3回目の必死の抵抗でアメリカは「F4F」4機を維持し、さらに壊滅させたと思い込んでいた陸上砲台もいくつか被害を免れたため、アメリカには十分反撃の手段が残されていました。

10日深夜に第四艦隊はウェーク島沖に到着。
予定ではここから【特設巡洋艦 金剛丸、金龍丸】の陸戦隊を大発動艇に載せてウェーク島に揚陸させる作戦だったのですが、当日はあいにくの悪天候で、大発が転覆するなど危険な状況でした。
なので揚陸は天候が落ち着いてからとし、この空いた時間を利用して水上艦による艦砲射撃を行うことになりました。

艦隊は分散され、四方からの砲撃が行われることになりました。
午前3時25分にまずは【夕張】【天龍】【龍田】が砲撃開始、そして43分から駆逐艦も砲撃に参加しました。
【疾風】【如月】の2隻はウェーク島西のウィルクス島に砲撃を開始。
しかしいずれの箇所も砲台がしっかり残されており、アメリカは日本の艦隊の動きを察知し、こちらの射程に入ってくるまで静かに待ち、射程に入ってから奇襲を仕掛けることにしました。

対して日本は砲台が生き残っているとは思っていないため、その点では大きく油断をしていたでしょう。
じりじりと近づきながらウェーク島に砲弾が飛び込んでいきます。
そして突然、【夕張】の近くに水柱が上がったのです。
まるで自らの砲撃を反射しているかのようなウェーク島からの砲撃でした。
陸上砲台は12.7cm砲で、【夕張】はこの砲撃を受けて慌てて煙幕を炊いて撤退します。

それに続いて各所でもウェーク島からの反撃が始まりました。
これに対して【疾風】が4門全てを有効に活用するため、艦を横に向け斉射体制に入りました。
ところがその瞬間、12.7cm砲弾が横っ腹を見せている【疾風】の艦中央部分に直撃しました。
砲撃を受けた【疾風】はこの衝撃でボイラーか魚雷誘爆かの影響で轟沈してしまいました。

呆気にとられる艦隊でしたが、すぐさま撤退を命令します。
ですが海上には投げ出されたままの大発がまだ残っており、回避しようにもその大発が邪魔になってしまいます。
そしてこの好機を逃すわけがなく、アメリカはすぐさま「F4F」4機を投入して追撃を行いました。

この時「F4F」は無理矢理爆弾を懸吊させる突貫工事を行っており、「F4F」は戦闘爆撃機となって襲い掛かってきたのです。
7mm機銃数機しかない時代ですから、空襲の対処なんてほとんどできません。
艦隊は攻撃して補給してまた攻撃を繰り返す「F4F」に翻弄されました。
やはり大きい軽巡はよく狙われ、数発の爆弾が投下されました。
爆弾の被弾は幸いありませんでしたが、戦闘機の機銃掃射は弓矢の攻撃のような恐ろしさがあります。
この攻撃で多数の死傷者が出ています。

それでも逃げるしかない【如月】達ですが、ついに【如月】にも「F4F」が襲い掛かりました。
当然水平爆撃ですが、水平爆撃は即席でも対応できますから戦闘機乗りの「F4F」にも難しいことではありません。
ましては敵は僅かな機銃しか持たない小兵で、直掩機もいませんからやりたい放題です。
かなり低い高度からだと推定されますが、「F4F」が投下した爆弾が【如月】についに命中します。

この時魚雷か爆雷に誘爆に誘爆し、【如月】は艦橋と2番煙突の半分、そしてマストが吹き飛ばされる大爆発を起こします。
【如月】は船体が二つに割れ、まもなく沈没していきました。
【疾風】に続き、帝国海軍2番目、そして「睦月型」初の喪失となりました。
【疾風、如月】を弔う間もなく、この後も各艦はたった4機の戦闘機にまるでおもちゃのように弄ばれ、這う這うの体で戦域から離脱していきました。

このまさかの大敗北によって、日本は次の戦いでは真珠湾攻撃から帰ってきた【蒼龍】【飛龍】を中心とした第二航空戦隊を投入し、一気に畳み掛けます。
それでも戦死者は米軍の4倍、さらに「第二次ウェーク島攻略作戦」前には【呂62】【呂66】が衝突して【呂66】が戦闘とは関係なしに沈没するなど、非常に被害の大きな戦いでした。

なお、【疾風、如月】や、のちの【東雲】の沈没を受け、日本は誘爆の危険性が高かった八八式爆薬の使用を中止し、新式爆薬へと交換していくことになります。

2022年01月08日 加筆修正