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大和型戦艦を生んだ「A-140」の変遷2
“A-140” project, the original Yamato type Second

記事内に広告が含まれています。
  1. 金剛代艦 藤本案・平賀案
  2. 46cm砲搭載戦艦 江崎岩吉案
  3. 46cm砲搭載戦艦 福田啓二案
  4. 46cm砲搭載戦艦 平賀譲素案
  5. A-140
  6. A-140A~A-140D
  7. A-140A1~B2
  8. A-140G、G1-A
  9. A-140J系
  10. A-140K
  11. A-140G0-A、G2-A
  12. A-140I
  13. A-140F系
  14. 日の目を見なかった大和型の先の姿

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A-140(1935.3.10)

「ロンドン海軍軍縮条約」からの脱退が正式に決定したことで、新造戦艦の設計が本格化してきました。
これまでは建造期限のないことでしたが、これからは起工するまでのタイムリミットが生じますからのんびりする暇は全くありません。
10月に入り、艦政本部第四部には正式に「A-140」の設計が要請されます。

求められた性能は、

・主砲:46cm砲8門以上
・副砲:15cm砲12門または20cm砲8門
・速力:30ノット以上
・航続距離:18ノットで8,000海里
・装甲:46cm弾に対して20~35kmの範囲で完全防御
・魚雷防御:少なくとも300kgの装薬搭載魚雷10本に耐えられること

というものでした。
この段階で海軍は次世代戦艦に高速性を求めており、アウトレンジ戦法や機動部隊との連携も視野に入れられていたことがわかります。

なお、ここから先は「Warship Projects 1900-1950」の資料にのみ基づくため、実際とは異なる点がある可能性もございますことをご了承ください。
最も公となっているデータはこちらです。

別タブで開く場合はこちら

公試排水量 69,500t
水線長 294.00m
全 幅 41.2m
最大速度 31ノット
馬 力 200,000馬力
航続距離 18ノット:8,000海里
主 砲 46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

しかしこの「A-140」の名称の設計はあくまでたたき台であり、実用的な船というよりも、技術的に可能なことを示すためにあえて作ったものだと思われます。
図面も残っていないため、これをベースにここから議論を始めるというものでした。
非常に大型であることから、資料によってはこれを設計案と認めていないものもあるようです。

軍令部はこの案に対して、燃費の観点からディーゼル機関を検討するように、また財政上の問題から排水量を減らすように求めています。
バイタルパートは集中する設計になってはいますが、前部に3基集中し、機関、そして後方に副砲が集中していることから意外とバイタルパートは狭くはありません。
またこの設計だけ、タービン機関だけで構成されていますので煙突がかなり太いです。

注目点としては、これまでの設計案では航空設備は例え艦後尾であっても全通の上甲板上にありましたが、この「A-140」から艦橋等に最上甲板が加わったことで少し低い位置になったことです。
そしてこれまでは恐らく格納庫は航空甲板のすぐ下にあり、エレベーターでの昇降となっていたと思われますが、この段階から副砲の甲板の下に格納庫が設置されて、そこから航空機が運ばれる形となりました。
その両側に艦載艇の格納庫が配置されるのも、「大和型」と同じです。
形は少し異なりますが、原型はこの段階から確立していました。

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A-140A(1935.4.1)

公試排水量 68,000t
水線長 277.00m
全 幅 40.4m
最大速度 30ノット
馬 力 200,000馬力
航続距離 18ノット:9,200海里
主 砲 50口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル機関+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

元の「A-140」が大きすぎるということで小型化し、高角砲が8基とここまでの設計案で最も多くなっていますが、狭い位置に押し込んだ形になったために射程、射角に問題が残りました。
この段階から当然装甲はガッチリしていて、舷側の傾斜装甲は最大430mmから段階的に薄くなり、艦底に至る部分で150mmとなっています。
水平装甲も最大229mmと実在の「大和型」の230mmとほぼかわりません。
砲塔の装甲は最大584mmで、これは現実の660mmと比べると大きな開きがあります。

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A-140B(1935.4.1)

公試排水量 60,000t
水線長 247.0m
全 幅 40.4m
最大速度 28ノット
馬 力 140,000馬力
航続距離 18ノット:9,200海里
主 砲 50口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 8基16門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

こちらはオールディーゼル型の設計案となります。
全てディーゼルとなったことで機関の占めるスペースが小さくなり、「A」と比較して排水量は8,000t減、全長は原案から30mも短くなっています。
いかにタービン機関がスペースをとるかがわかります。
煙突は後部艦橋と一体化し、さながら小さなフランス戦艦のような形になっています。
馬力は140,000馬力と大きく落ちますが、速度は2ノット減程度で航続距離は同等ですから、「A」「B」を比較すると「A」が優位に立てるのはこの2ノットだけです。

外観で大きく異なるのは、煙突の他に高角砲台と言ってもいいほど高角砲が密集している艦橋の後ろです。
両舷3基と中心に1基というかなり集中的な配置となっていて、残り1基は3番砲塔後方に設置されています。
そしてディーゼルエンジンになるとやはり艦橋は重心が少し後ろに乗るような形になっています。

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A-140C(1935.4.1)

公試排水量 56,000tもしくは58,000t
水線長 247.00m
全 幅 40.4m
最大速度 26ノット
馬 力 105,000馬力
航続距離 18ノット:9,200海里
主 砲 50口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 8基16門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

基本的には「A-140B」から機関を1/4撤去しただけの「A-140C」タイプです。
当然速度や航続距離などに影響が出ていますが、外観も高角砲台に違いが見られます。
「B」では丸く配置された高角砲ですが、「C」では逆三角型になって、さらに空きスペースに1基が入ってより歪な形となっています。
見過ごせないほどの重量だったのかはわかりませんが、「B」では高角砲は全て甲板より高い位置に配置され、重心が高くなる構造でした。
吃水線下にある機関の重量が減少したために、高角砲4基を甲板上に降ろすことで重心を下げようという意図があったのかもしれません。

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A-140D(1935.4.1)

公試排水量 55,000t
水線長 247.00m
全 幅 40.4m
最大速度 29ノット
馬 力 140,000馬力
航続距離 18ノット:9,200馬力
主 砲 53口径41cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 8基16門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「A-140D」案は「A-140B」案から排水量を多く減らしたプランで、そのため主砲が41cm三連装砲とグレードダウンしています。
基本的には武装の威力が下がれば装甲も薄くなるため、舷側装甲は一番厚くて380mm、水平装甲は203mmに減じています。
排水量は「B」に比べて5,000t減っていますが、速度の上昇は1ノット程度と控えめです。
主砲が小さくなったために艦首もこれまでの案と異なり鋭くなっています。

重心の影響か、副砲は後部集中ではなく後部に1基、舷側に1基ずつの計3基となりました。
高角砲の配置については「C」案に近いですが、艦橋前の1基が後ろに回ったため、片舷4基の規則的な配置となりました。
個人的にはこの設計案を練り上げて高速戦艦にするのが最も太平洋戦争に即した設計ではないかと思っています。

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A-140A1(1935.4.1)

公試排水量 68,000t
水線長 277.00m
全 幅 40.4m
最大速度 30ノット
馬 力 200,000馬力
航続距離 18ノット:6,200海里
主 砲 50口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 8基16門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「A-140A1」案は、「A-140A」案とは主砲・副砲の配置が大きく異なります。
主砲に関しては前部に2基、後部に1基と奇しくも無条約設計後のアメリカ戦艦と同じ配置となりました(「コロラド級」は連装砲前後2基ずつで「長門型」と同じ)。
前部集中型は平賀が嫌うデザインで、もしかしたらここですでに海軍の考えを翻意させようと思っていたのかもしれません。

しかし素人目に見てもこの案は嘘っぱちと言わざるを得ません。
性能が「A-140A」と全く同じなのです。
装甲の配置も広さも変わりますし、重心も変わりますし、もしかしたら3番砲塔が後ろに回ったことで全幅をもう少し狭めることができたかもしれません。
良くも悪くも絶対変化があるはずなのに、同性能というのは怪しいです。

後部に主砲が来たことで副砲は後部艦橋と3番砲塔の間に収まるのですが、この時すでに1基の副砲が3番砲塔の上に背負い式で搭載されているのがわかります。
また背負い式の副砲の前にも副砲があり、場所は変わりましたが副砲が集中配備されている点は変わりません。

こう見ると、副砲4基搭載というのが大きなスペースを使っているように見えます。
これまでの案だと、副砲は主砲の爆風や射角を気にする必要はありませんでしたが、3番砲塔が後ろに来ることによって副砲は逆に配置場所をしっかり考えなければならなくなりました。

「A」はディーゼルとタービンの併用ですから大きな煙突が必要です。
3番砲塔が後ろに回ったことで艦橋は随分前に出てきて、船の中央に煙突と後部艦橋が並んでいます。
高角砲の配置は「A」と結構違っていて、煙突の横に2基ずつ、艦橋前後に1基、そして後部艦橋の後ろにこれも背負い式で設置されています。

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A-140B1(1935.4.1)

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公試排水量 60,000t
水線長 247.00m
全 幅 40.4m
最大速度 28ノット
馬 力 140,000馬力
航続距離 18ノット:9,200海里
主 砲 50口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 8基16門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

こちらも「A-140B」案のスペックで3番砲塔を後部に持っていったパターンの設計です。
だいたいは「A1」案と同じですが、煙突が小さいおかげで高角砲はまとめることができています。

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A-140A2(1935.4.1)

公試排水量 68,000t
水線長 277.00m
全 幅 40.4m
最大速度 30ノット
馬 力 200,000馬力
航続距離 18ノット:9,200海里
主 砲 50口径46cm連装砲 4基8門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 8基16門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「A-140A2」は連装砲4基というオーソドックスな設計です。
しかし寸法が同じとなると、幅はともかく長さは連装砲も三連装砲も同じなので、見た通りこれまでと比べて非常に窮屈となります。
航空兵装も元の位置のままですから、全体的に重心が前に偏っています。

また3番、4番砲塔の周辺に副砲が固まっているのも、ここにしか配置できないという問題を棚上げしたものでした。
前を向いた副砲2基は前後ともに射角に大きな制限があり、3番、4番砲塔の間付近にある2基の副砲も、主砲に砲身が接触する恐れがありました。
この設計だと煙突周辺の舷側の幅も余裕がないため副砲が置けず、使い勝手はともかく要求された兵器をまずは載せた、という程度のもので、かなり実戦には不都合な設計だと思われます。

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A-140B2(1935.4.1)

公試排水量 62,000t
水線長 247.00m
全 幅 40.4m
最大速度 27.5ノット
馬 力 140,000馬力
航続距離 18ノット:9,200海里
主 砲 50口径46cm連装砲 4基8門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「A-140B2」も同様に連装砲4基のタイプですが、こちらも副砲の使い勝手の悪さは変わりません。
高角砲が中央に集中しているのは防空の観点からはいいのかもしれませんが、副砲が死に体のためにやはり運用上の制限は大きいものがありました。

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A-140G(1935.5.25)

公試排水量 65,883t
水線長 273.00m
全 幅 37.7m
最大速度 28ノット
馬 力 140,000馬力
航続距離 18ノット:9,000海里
主 砲 45口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「A-140A」「A-140D」は、派生型含めて昭和10年/1935年4月1日にまとめられたもので、ここでの議論の結果、「A」「B」が有力視されてこの設計をより練っていくことになり、ディーゼルとタービンの併用の場合はここから両者の比率は1対1とすることが決まります。
そして5月25日の議論の中で「A-140G」が誕生しました。

「A」「B」はともに最も大型の為、次はこれをどう絞っていくかという話になりました。
幅をとる原因としてはやはり超巨大な46cm砲があり、船のサイズを小型にするためには口径を短くする必要がありました。
そのためここまで50口径だった主砲は以後45口径となります。

全長は273m、全幅37.7mとなり、艦橋より後ろの設備が圧縮されています。
副砲は舷側に寄る形となり、高角砲と干渉してしまうので高角砲は8基から6基と両舷1基ずつ削減されました。
そして重要なのが、この案では速度が28ノットとなっています。
「A-140G」は今後の設計のベースになっていくため、ここで30ノットの可能性は事実上潰えてしまいました。

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A-140G1-A(1935.7.30)

公試排水量 61,600t
水線長 245.50m
全 幅 38.9m
最大速度 26ノット
馬 力 115,000馬力
航続距離 16ノット:6,600海里
主 砲 45口径46cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 4基12門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「A-140G」の設計を受けて、これを更に小さくする設計案として7月に誕生したのが「A-140G1-A」です。
全長は245mと「A」案から32mも短くなっています。
安定性を維持するために全幅は38.9mと約1m広くなっていますが、排水量は61,600tと大幅削減されました。

しかしその影響で多くが能力を落としています。
馬力は115,000馬力、最大速度は26ノット、航続距離は16ノット:6,600海里と、特に航続距離の減少は著しいものでした。
装甲も全体的に薄くなったため、舷側装甲は30kmからの砲撃に対する耐久から27kmからの砲撃へと短縮されています。

外観では3番砲塔が背を向けているのがよく目立ちます。
2番砲塔の下の隙間に収まっていることから、全長を短くするために少しでもスペースを活用しようという意図が見て取れます。
当然前方への射角は狭まりますが、前部集中型だともともと後方射角が狭いのが弱点ですから、この配置にすることで後方射角を広げることができました。
副砲は後部に集中する形に戻っていますが、高角砲は6基と削減されたままです。

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A-140J0(1935.7.30)

公試排水量 52,000t
水線長 242.00m
全 幅 36.2m
最大速度 27.5ノット
馬 力 120,000馬力
航続距離 16ノット:7,200海里
主 砲 50口径41cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 3基9門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「C」「D」同様、「G」案に対しても小型の設計案が上がっており、それが「A-140J」「A-140K」です。
「J」は主砲が「D」のように41cm三連装砲へ格下げとなったタイプで、デザインは副砲が1基減った以外は全部一緒と言ってもいいぐらいそっくりです。
当然サイズも小さくなっていて、全長は242m、全幅36.2m、排水量は52,000tです。
重量にゆとりができたので、出力120,000馬力で27.5ノットと並の速度も発揮できました。
装甲は対41cm用に順当に削られており、バランスの良い設計案ではあります。

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A-140J2(1935.7.30)

公試排水量 54,030t
水線長 255.00m
全 幅 38.5m
最大速度 29ノット
馬 力 135,000馬力
航続距離 18ノット:6,000海里
主 砲 50口径41cm三連装砲 3基9門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 3基9門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

こちらは「J0」から速度を29ノットに上げるために機関を強化したタイプです。
145,000馬力となったことで航続距離も18ノット換算に向上し、6,000海里に延長。
外観は全長が引き延ばされただけでほとんど「J0」と変わりません。

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A-140J3(1935.8.30)

公試排水量 58,400t
水線長 252.00m
全 幅 38.9m
最大速度 28ノット
馬 力 135,000馬力
航続距離 18ノット:7,200海里
主 砲 50口径41cm三連装砲 4基12門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 3基9門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

「J3」は主砲がさらに1基増え、日本戦艦最大の門数を誇る三連装砲4基12門という攻撃力でした。
「J3」はその絵姿が現れたのがだいたいの骨組みが完成した「G2-A」と同じ8月30日のため、どちらかというと「G2-A」を主砲4基搭載にしたらこうなる、というイメージのほうが近いかもしれません(当然主砲は異なりますが)。

ここで「大和型」のデザインと酷似している部分が複数見ることができます。
煙突が基部だけでなく全体的に傾斜しており、これは「大和型」と同じ形です。
その他艦橋も司令塔が前に出っ張った形に変化していて、面影が随所に現れています。
同じ41cm三連装砲4基搭載の「モンタナ級」の日本版とも言えます。

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A-140Kタイプ(1935.8.1)

公試排水量 50,059t
水線長 221.00m
全 幅 36.0m
最大速度 24ノット
馬 力 80,000馬力
航続距離 16ノット:6,600海里
主 砲 45口径46cm三連装砲 2基4門
45口径46cm連装砲 1基2門
副砲・備砲 60口径15.5cm三連装砲 3基9門
12.7cm連装高角砲 6基12門
機 銃 25mm連装機銃 12基24挺
缶・主機 ディーゼル+タービン機関
その他 水上機 ?機(射出機 2基)

見ての通り1番砲塔は連装砲になっています。
デザインの多くは後ほど紹介する「A-140G0-A」と類似していますが、副砲が1基削減されています。

サイズは劇的に減少しており、排水量は僅かに50,600t。
しかし出力は80,000馬力足らずで最高速度は24ノット、航続距離16ノット:6,600海里と足回りにも問題がありました。
さらに46cm砲搭載にもかかわらず装甲は41cm砲対応に留まっていて、装甲も速度も足りない本案は、ひたすら小型化し、かつ攻撃力に特化したバージョンと言えるでしょう。
「K」は計3タイプが設計されましたが、全体的に攻守のバランスが悪いものでした。

1
2
3
  1. 金剛代艦 藤本案・平賀案
  2. 46cm砲搭載戦艦 江崎岩吉案
  3. 46cm砲搭載戦艦 福田啓二案
  4. 46cm砲搭載戦艦 平賀譲素案
  5. A-140
  6. A-140A~A-140D
  7. A-140A1~B2
  8. A-140G、G1-A
  9. A-140J系
  10. A-140K
  11. A-140G0-A、G2-A
  12. A-140I
  13. A-140F系
  14. 日の目を見なかった大和型の先の姿



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