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【伊六十八型潜水艦⇒168型】(海大六型a)

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基準排水量 1,400t
水中排水量 2,440t
一番艦竣工日 伊号第六十八潜水艦
昭和9年/1934年7月31日
同型艦 6隻
全 長 104.70m
最大幅 8.20m
主 機 艦本式1号甲8型ディーゼル 2基2軸
最大速度 水上 23.0ノット
水中 8.2ノット
航続距離 水上 10ノット:14,000海里
水中 3ノット:65海里
馬 力 水上 9,000馬力
水中 1,800馬力

装 備 一 覧

備 砲 伊68~70:50口径10cm単装高角砲 1基1門
伊71~73:45口径12cm単装砲 1基1門
13mm機銃 1挺
7.7mm機銃 1挺
魚雷/その他兵装 艦首:53cm魚雷発射管 4門
艦尾:53cm魚雷発射管 2門
搭載魚雷 14本
MV式水中聴音機 1基
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艦本式タービンの完成 水上23ノットの高速潜水艦 海大六型a

艦隊型潜水艦の悲願、水上速度23ノット。
これまで船体設計の見直しや搭載ディーゼルの改良によって速度アップを図ってきましたが、どうにも安定的に高速を発揮させることが難しいままでした。
しかしこれまでのディーゼル機関の構造を学び、独自に開発を進めていた艦本式ディーゼルが、ついにこの「海大六型」で搭載することが可能となったのです。

一大開発品となった艦本式ディーゼルは、出力がズルツァー式ディーゼルの3,400馬力、ラウシェンバッハ式ディーゼルの3,000馬力に対して4,500馬力という強力なものでした。
しかも馬力だけではなく、複動ディーゼルという、ピストンの上下移動それぞれで点火爆発が起こるディーゼルの開発に成功。
海軍は自力の開発を昭和2年/1927年から始めていましたが、これもまたドイツが先行してその技術を持っていました。
日本はこのディーゼルの購入を目指しましたが、ほぼ同じ重量で単純に出力が倍になるという夢のような機械ですから、ドイツが提示してきた金額は莫大なものでした。
結局特許の取得ができず、独自の研究が続けられ、そして長年の研究が結実したのが艦本式ディーゼルでした。

実際は複動ディーゼルによる出力増は1.8倍ほどなので、4,500×1.8の8,100馬力が得られる[2-P16]「海大六型」は、この大出力と後述の完全複殻構造によってついに「海大型」は水上23ノットを達成。
過負荷においては24ノットを記録しており、「海大型」当初からの念願であった艦隊同行能力を得たのです。[1-P234]
ですが、ズ式3号のように艦本式ディーゼルもまた初期の故障に悩まされ、この改善には4年ほどかかっています。

高速化にはエンジンだけでなく完全複殻となった構造も影響しています。
複殻のメリットは他項でも述べていますが、高速化にも一役買っています。
これまで艦底部分は複殻ではなかったのですが、「海大六型」はついに全部が複殻となりました。[1-P234]

「海大六型」での大きな変化は、他に航続距離の回復もあります。
「海大一型」こそ、四基のエンジンと大きな船体を駆使して航続距離は20,000海里を誇りましたが、以後は10,000海里と平凡な航続距離が続いていました。
艦隊型潜水艦としては航続距離は譲れません。
伸びれば索敵範囲も広がり、すなわち制海権が広がることになります。
燃料の搭載量が100t増えたこともあり、その航続距離は14,000海里まで伸ばすことができました。
しかし魚雷についてはかつての艦首6門に戻すことは叶わず妥協されています。

備砲は引き続き10cm高角砲が採用されていましたが、しかし10cm高角砲は唯一といってもいい攻撃対象である低武装艦船に対しては、どうにも威力不足との声がありました。
この標的に対しても砲撃が無意味であれば武装をする意味すらありませんので、6隻のうちの後半【伊71、伊72、伊73】は再び12cm単装砲へと戻っています。

「海大六型」【伊168】起工前の昭和5年/1930年に締結された「ロンドン海軍軍縮条約」の影響で、基準排水量が1,400tに抑えられています。
1隻の最大排水量は2,000tなのですが、総排水量は52,700tと上限があったため、やみくもに大型潜水艦を増やすことができなくなったのです。

ですが、条約脱退後に安全潜航深度が85mにまで増大した「海大六型b」への派生があるため、前期の6隻を「海大六型a」と称しています。
「海大六型a」には、「ミッドウェー海戦」で大破中の【米ヨークタウン級航空母艦 ヨークタウン】と、その護衛をしていた【米シムス級駆逐艦 ハムマン】を一挙に葬った、有名な【伊168】があります。
しかし6隻全てが戦争で失われ、【伊168】【米ガトー級潜水艦 スキャンプ】との潜水魚雷戦に敗れて沈没しています。

出典:『極秘 日本海軍艦艇図面全集』

同 型 艦

艦名は最終のもの

伊号第百六十八潜水艦 伊号第百六十九潜水艦 伊号第七十潜水艦
伊号第百七十一潜水艦 伊号第百七十二潜水艦 伊号第七十三潜水艦

参照資料(把握しているものに限る)

Wikipedia
[1]軍艦開発物語 著:福田烈 他 光人社
[2]論文「戦時日本の中速・大形高速ディーゼル」 著:坂上茂樹 大阪市立大学大学院経済学研究科