セント・ジョージ岬沖海戦

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(正式名称なし)セント・ジョージ岬沖海戦

戦闘参加戦力

大日本帝国連合国
司令官:香川清澄大佐指揮官:アーレイ・バーク大佐
警戒隊 駆逐艦【チャールズ・オースバーン】
・第三一駆逐隊 駆逐艦【クラクストン】
 駆逐艦【大波】 駆逐艦【ダイソン】
 駆逐艦【巻波】 駆逐艦【コンヴァース】
輸送隊 駆逐艦【スペンス】
・第一一駆逐隊 
 駆逐艦【天霧】 
 駆逐艦【夕霧】 
・第三〇駆逐隊 
 駆逐艦【卯月】 
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フレッチャー級の奇襲 アメリカ駆逐艦の戦い方

1943年11月15日、ブーゲンビル島に上陸しているアメリカ軍に対し、日本は部隊をブーゲンビル島北部のブカ島やニューブリテン島へ送り込む。
11月17日、ブカ島飛行場に対して艦砲射撃が行われていた。
砲撃は【米フレッチャー級駆逐艦 ダイソン】1隻だけの小規模なものであったが、侵攻の前触れだと感じた日本はラバウルから陸軍の第十七師団歩兵第八十一連隊を緊急輸送することを決定。
この輸送は「鼠輸送」の一環である。

第一回輸送は【天霧・夕霧・卯月】の3隻と、警戒隊の【大波・巻波】で行われた。
11月21日午後1時30分、ラバウルを出発。
午後8時15分、ブカ島へ到着、輸送開始。
翌22日午前5時30分、ラバウルへ帰投。
輸送は滞りなく成功したが、この輸送が察知されたかどうかは現時点ではわかっていない。

11月24日午後1時30分、第二回輸送が行われる。
メンツは輸送隊・警戒隊ともに変わらず、警戒隊2隻が先導をしてラバウルを出発した。
午後8時49分、ブカ島へ到着。
今回の輸送も無事成功、警戒隊は午後10時24分に魚雷艇と一線交えたが、偵察程度のもので双方損害はなかった。
午後10時45分、揚陸完了、全艦ブカ島を離れ、ラバウルへと北上を開始した。

一方アメリカは、午後には「東京急行出発」の報告を受け、襲撃の準備に入っていた。
アーレイ・バーク大佐は第23駆逐部隊にこの任務を指名した。
第23駆逐部隊は午後3時30分にニュージョージア島付近の泊地を出撃し、30ノットでブカ島西岸に向かい、待ち伏せを開始する。
また、念のために魚雷艇群も同行させていた。
揚陸中に警戒隊と遭遇した魚雷艇はこの魚雷艇である。

バーク大佐はこの作戦に並々ならぬ緊張感を持っていた。
8月6日、コロンバンガラ島西岸で勃発した「ベラ湾夜戦」で、アメリカ駆逐隊は日本の4隻の駆逐艦に対してレーダーを駆使した夜間奇襲を行い、見事無傷で3隻の駆逐艦を屠った。
この作戦の発案者はバーク大佐であったが、実施する前に異動となり、この海戦は後任のフレデリック・ムースブルッガー中佐の手腕によって成功した。
もちろん「ベラ湾夜戦」の戦果はバーク大佐の耳にも届いており、彼は発案した作戦に間違いがなかったことを確信。
そして今回の日本の輸送を待ち伏せできるアメリカの状況は「ベラ湾夜戦」と瓜二つ。
バーク大佐は自らの手でこの作戦を成功させる最大のチャンスを迎えていた。
恐らく「ベラ湾夜戦」同様、砲撃は厳禁、魚雷発射部には光の漏れを防ぐためのカバーが取り付けられていたと予想される。

23時41分、第23駆逐部隊第45駆逐群は、北西へ向けて先行する警戒隊の【大波・巻波】をレーダーで捉えた。
側面を確保した第45駆逐群の【フレッチャー級駆逐艦 チャールズ・オースバーン、ダイソン、クラクストン】は魚雷発射の準備を整え、午後23時56分、警戒隊に向けて魚雷計15本を発射。
第45駆逐群は魚雷発射後に待避、続いて砲撃部隊の第46駆逐群【フレッチャー級駆逐艦 スペンス、コンヴァース】が前に出て、残存艦砲撃の準備を整えた。

25日午前0時2分、魚雷が【大波・巻波】に直撃。
【大波】は4分後に轟沈、【巻波】は沈没こそしなかったものの、20度傾斜した状態で航行が不安定な状態となった。
そこへ第46駆逐群が到来し、残存艦【巻波】を砲撃。
午前1時頃に【巻波】も沈没し、アメリカは非常に理想的な形で作戦を完遂した。
【巻波】は沈む前に置き土産として魚雷を発射し、そのうち1本は【コンヴァース】に直撃したが、不運なことに魚雷は不発、被害を与えることができなかった。

一方輸送隊の3隻は、突如として前方で発生した爆発を目撃して北へ転舵。
輸送隊は敵部隊が巡洋艦を含めた戦隊であると判断し、戦場離脱に全力を注ぐ。
しかし午前0時30分頃から魚雷を放った後の第45駆逐群に捉えられ、輸送隊は煙幕や魚雷で足止めを図った。
【天霧・卯月】は逃走中に西方へ転舵、【夕霧】は後方へ向けて魚雷9本を発射。
しかし命中はなく、逆にレーダーという武器によって【夕霧】は闇夜に浮かぶ標的艦として第45駆逐群の砲火を浴びてしまう。
【綾波型駆逐艦 夕霧】1隻と、開戦後に建造された最新の「フレッチャー級駆逐艦」3隻ではあまりにも性能差がありすぎた。
午前1時30分、【夕霧】沈没。
【卯月】も魚雷1発を受けたが、幸い不発で被害をうけることはなかった。
【天霧】とは午前2時30分に合流し、ラバウルへと帰投した。

日本は輸送は達成したものの、5隻中3隻を失った上、相手には全くダメージを与える事ができない完敗であった。
この戦闘に対して日本は「駆逐艦1隻、魚雷艇2隻撃沈1隻撃破」と報告している。
そして鼠輸送は以後アドミラルティ諸島やニューブリテン島まで後退。
重要拠点のラバウルにも危険が迫るようになり、日本はなお一層危機に瀕することになる。

アメリカの完勝

両者損害

大日本帝国連合国
沈 没
【大波】 
【巻波】
【夕霧】