コロンバンガラ島沖海戦/コロンバンガラ海戦

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コロンバンガラ島沖海戦コロンバンガラ海戦

戦闘参加戦力

大日本帝国連合国
第二水雷戦隊(警戒隊)
(司令官:伊崎俊二少将)
第36.1任務部隊
 旗艦:軽巡洋艦【神通】(指揮官:ウォルデン・L・エーンスワース少将)
 駆逐艦【清波】 軽巡洋艦【ホノルル】
・第一六駆逐隊 軽巡洋艦【リアンダー】(ニュージーランド)
 駆逐艦【雪風】 軽巡洋艦【セントルイス】
 駆逐艦【浜風】 駆逐艦【ニコラス】
 駆逐艦【夕暮】 駆逐艦【オバノン】
・第三一駆逐隊 駆逐艦【テイラー】
 駆逐艦【三日月】 駆逐艦【ジェンキンス】
輸送隊 駆逐艦【ラドフォード】
・第二二駆逐隊 駆逐艦【ラルフ・タルボット】
 駆逐艦【皐月】 駆逐艦【ブキャナン】
 駆逐艦【水無月】 駆逐艦【モーリー】
 駆逐艦【夕風】 駆逐艦【ウッドワース】
 駆逐艦【松風】 駆逐艦【グウィン】
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二水戦ここにあり 神通に率いられ怒涛の砲雷撃

ガダルカナル島から日本を追い出したアメリカは追撃の手を緩めることなく、日本が守備を固めていたニュージョージア島侵略を進める。
6月30日、まずはニュージョージア島南方たった10kmのレンドバ島へ上陸。
10kmとなるとレンドバ島沖に停泊していても十分艦砲射撃が可能であり、また陸上の砲台からも同様に射程に収めることができる。
そしてその10km先にあるムンダは日本の飛行場があった。
当然日本にとって大変重要な基地であると同時に、ここを奪われてしまうと途端にアメリカの要所に様変わりしてしまう。

また、ニュージョージア島西方にあるコロンバンガラ島の重要度も一気に高まった。
ニュージョージア島とコロンバンガラ島もクラ湾を挟んで隣接しており、コロンバンガラ島はニュージョージア島に向けての輸送拠点としても退避拠点としても活用できる場所にあった。
そしてニュージョージア島はレンドバ島の制圧にとって危機に瀕しており、ニュージョージア島を守る上でも、コロンバンガラ島へ撤退させる上でも、コロンバンガラ島への増援はなんとしても行わなければならなくなった。

しかし7月4日の輸送はアメリカ駆逐艦部隊と遭遇して中止。
翌5日には護衛を増やし、再びコロンバンガラ島を目指したが、そこで「クラ湾夜戦」が起こる。
輸送はある程度達成したものの、第三水雷戦隊旗艦の【新月】とその司令部、また【長月】が沈没した。

不十分となった7月5日の輸送に対し、日本は追加の輸送を図るが、コロンバンガラ島からニュージョージア島へ増援を送るとなると、当然コロンバンガラ島へも穴埋めのための増援を送らなければならない。
7月9日のコロンバンガラ島からニュージョージア島への輸送は弾一つの妨害もなく完遂。
コロンバンガラ島の兵員補充のために、7月12日午前3時30分、警戒隊の第二水雷戦隊はラバウルを出発した。
続いて18時40分、輸送隊はブインから出撃している。

アメリカは「クラ湾夜戦」で活躍した第36.1任務群を引き続き配備。
「クラ湾夜戦」で沈没した【セントルイス級軽巡洋艦 ヘレナ】の代わりに【英軽巡洋艦 リアンダー】を据え、また4隻だった駆逐艦を10隻まで増やして日本を待ち構えていた。
日本の出撃の様子は監視されており、22時35分、偵察機によって日本の艦隊が発見された。

一方日本も、【雪風】に新たに搭載されたE27逆探がほぼ同時刻にこの偵察機の動向を察知していた。
天候が悪く視認ができず、果たして逆探は正確に作動しているのか不安ではあったが、44分には日本の偵察機も4隻の敵艦艇を発見。
電探の性能は証明され、日本もアメリカ艦隊に向けて増速。
この早期発見と増速は、実はアメリカの戦闘準備と優位性を崩す大きな役割を果たしている。
なお、輸送隊は安全のためこの時に分離し、コロンバンガラ島を目指している。

【三日月】を先頭に、【神通、雪風、浜風、清波、夕暮】の単縦陣を形成した日本だったが、やはり発見はレーダーのあるアメリカに遅れを取ることになる。
22時59分、【ブルックリン級軽巡洋艦 ホノルル】のレーダーが警戒隊の姿を捉えた。
アメリカはまずは先行する駆逐艦の魚雷と巡洋艦のレーダー射撃を行い、その後後方の駆逐艦に突撃させる作戦を立てていた。
【ホノルル】からの報告により【フレッチャー級駆逐艦 ニコラス、オバノン、テイラー、ラドフォード、ジェンキンス】の5隻が魚雷を発射。
続いて巡洋艦、後衛の駆逐艦が前進し、砲身は火を噴くその瞬間を待っていた。
しかし日本も【雪風】E27逆探がすぐさま電波の発せられている方向を探知しており、やはり照準は敵影が現れるであろう方向に揃えられていた。
逆探は受け身ではあるが、範囲さえ狭くなければ今回のようにほぼ同時に電波の発生源を知ることができる。

午後23時3分、両者同時に視認。
距離約6km。
7対13、第二水雷戦隊圧倒的不利の中、帝国海軍史上屈指の砲雷撃戦が始まる。

第36.1任務群は南下する二水戦の左、つまり東側から単縦陣で攻め込んできた。
二水戦は第36.1任務群を視認しつつ、魚雷を右90度に向けて前進。
その先には小さなスコールがあった。
魚雷は左旋回をしてUターンをした際に放つ計画である。
この間も敵からは砲弾がどんどん飛んでくる。
レーダーがあるアメリカは、近距離のスコールは大きな障害にならない上に、【神通】はすでに的に向けて探照灯を放っている。
しかし慌ててはいけない、砲弾と違い、魚雷は無駄撃ちする訳にはいかない。

23時8分、【三日月】が回頭。
それに続いて全艦左旋回し、一斉に第36.1任務群に向けて魚雷を発射した。

【神通】が先頭に立ったのは、この回頭後と予想される。
先頭でライトを照らす【神通】は格好の餌食となり、ありとあらゆる砲弾・魚雷は全て【神通】に集中した。
距離は6kmで、【神通】は魚雷を放ったために土手っ腹を晒している、最も面が広い状態であった。
瞬く間に炎上した【神通】は更に見やすくなり、砲弾の嵐はより一層激しくなった。
伊崎俊二第二水雷戦隊司令官以下、司令部が全滅。
舵も破壊され、【神通】は緩く旋回を続けた。

しかし二水戦が黙って砲撃を受けるわけもない。
後に続いた5隻の駆逐艦は【神通】の身を挺した犠牲を無駄にすまいと、5km前後の超近距離戦で激しい砲撃戦を行った。
すぐ近くに【神通】からの火の手が見える一方で、敵側からも多くの火の手が上がり、各艦内では歓声が沸いた。
【雪風】が放った魚雷は見事に【リアンダー】の右舷に命中し、まるで火山の噴火のような火炎の柱が現れた(自身の魚雷ではない可能性もあり)。
【リアンダー】は浸水によって戦闘不能となり、沈没はしなかったもののついに以後の太平洋戦争での活躍の場を得ることはなかった。
【三日月】を除いた駆逐艦は、魚雷の次発装填のために一時戦場から離れ、次発装填装置を持たない旧型の【三日月】はこのまま北上して戦場から離脱している。

ひときわ苛烈に砲弾を放ち続ける艦がある。
誰あろう【神通】である。
自身の炎上を我が身の滾る戦いの意志へと置き換えて、14cm砲は休まることなく砲弾を撃ち続けた。
すでに艦橋を始めとした構造物は破壊され尽くしており、舵も破壊された今、文字通り火だるまの状態であった。
しかしそんな中でも旋回によって出番を得た左舷側の魚雷発射管からも魚雷が発射され、阿修羅のごとくありとあらゆる兵器の唸りは決して止むことがなかった。

※2019年4月26日、ポール・アレン氏創始の探査チームが沈没している【神通】の発見を発表した。
これにより、【神通】の魚雷発射管に3本の魚雷が残っていることが確認された。
7本の発射が事実か否か、もし事実であれば、【神通】は7本発射後にさらに人力で魚雷を搭載していることになる。
果たしてそのようなことが可能なのか、真相究明に期待したい。

23時22分、缶室が多数被弾し、また魚雷も2番煙突後方に直撃。
これによって【神通】の動きは止まり、さらに48分にはもう1発の魚雷が【神通】を真っ二つに引き裂いた。
炎の鬼神の半身がグラグラと崩れ、海中に沈んでいく。
【神通】の顔には、微塵も諦めの様子はない。
「川内型軽巡洋艦」は、艦橋前に2門、艦橋横に1門ずつ14cm単装砲が備わっている。
うち1番砲塔は、ここに至ってまだ健在であった。
敵を探す目のようにギョロギョロと動く1門の砲塔は、艦後部を失ってもなお、獲物に向けて破壊の一撃を繰り出した。
この時白鉢巻をした砲手が懸命にアメリカと、そして死と戦っている姿が目撃されている。

【神通】がなお奮闘している中、23時36分、魚雷の再装填が完了した【雪風】ら4隻の駆逐艦が戦場に戻ってきた。
一方アメリカは【リアンダー】とその護衛で【ラドフォード、ジェンキンス】が離脱。
【ホノルル、セントルイス級軽巡洋艦 セントルイス】は一向に沈没の気配を見せない【神通】に対してなおも砲撃を集中させており、さらに【ニコラス、オバノン、テイラー】はこの二水戦の駆逐艦を追っていて、今この場にはいなかった。
13隻のうち6隻が姿を消し、さらに2隻は【神通】と交戦中。
他の艦らも決して無傷ではない。
【雪風】らは絶好の機会を得、スコールに紛れて再び肉薄戦を仕掛けにかかった。

スコールに入る直前の23時56分、【ホノルル】のレーダーは右前方から迫ってくる数隻の艦艇を映し出した。
日本が戻ってきたのか?いや、【ニコラス】達かもしれない。魚雷を打ち終えて撤退した駆逐艦がわざわざ戻ってくるだろうか?
エーンスワース少将はこのレーダーに写った艦艇の正体が結局敵なのか味方なのかの判断をすることができず、【雪風】達は無傷のままスコールを突破することができた。

日が変わって13日0時5分、今度は【雪風】達が先制攻撃を開始。
魚雷を発射し砲撃をはじめ、ようやく【ホノルル】も謎の艦影が日本軍だと知る。
直ちに目標を切り替え、右に進路をとって応戦した。

しかし戦いはすでに日本の勝利で決着していた。
必殺の酸素魚雷が再び第36.1任務群の船体を食いちぎったのである。
【セントルイス】は艦首の下半分がひしゃげ、【ホノルル】には艦首と艦尾それぞれ1発ずつの被雷があった。
艦尾の魚雷は不発であったが、艦首の魚雷は【セントルイス】よりも甚大な被害を招き、爆発を起こして艦首が垂れ下がった。
戦果はこれだけにとどまらない、14分には【グリーブス級駆逐艦 グウィン】にも魚雷が直撃し大破。
さらに【グリーブス級駆逐艦 ブキャナン】【ベンソン級駆逐艦 ウッドワース】が衝突し、第36.1任務群の戦闘態勢は完全に崩壊した。

アメリカにとって想定外だったのは、すでに撃ち尽くしたと思われていた魚雷が再び海を行く龍として襲いかかってきたことである。
アメリカの艦艇には次発装填装置はなかった。
そして日本の艦艇もまた、次発装填装置などというものは搭載していないと考えていた。
ところが再び襲いかかってきたのは小口径の砲弾を目くらましとした酸素魚雷であった。
おかげで大した回避運動もなく、魚雷の警戒も薄い、さらには近距離戦であったことから、次々と魚雷が命中したのである。
大爆発を起こした【グウィン】は最終的に沈没している。

0時30分、第36.1任務群を壊滅状態にさせた二水戦は、1隻を除いて戦場を離脱した。
エーンスワース少将はこれに対して追撃を命令したが、もはやまともに動けるのは【ラルフ・タルボット】のみ。
【雪風】達を追っている前衛部隊もまだ戻っておらず、結局この命令は履行できる状態ではなかった。

艦後部を失ってからすでに1時間近く、【神通】は未だに鬼神の異名に恥じぬ戦いを続けていた。
14cm砲はしつこく米艦艇を襲い、【ホノルル】【セントルイス】ら戦場の大半の艦が大破している中、とどめを刺すべく奮戦を続けていた。
しかし2時間ほどの砲撃の末、ついに【神通】は1時45分に海の底へと沈み始めた。
戦死者482名、第二水雷戦隊司令部全滅。
大きな損失であった。
残念ながら戦場には日本の艦艇が残っておらず、またアメリカも夜間でかつ自軍の被害が大きかったため、【神通】の最後についてはあやふやである。
少なくとも2名の乗員がアメリカによって救助されている。

この作戦の本懐だった輸送も滞りなく進み、日本は【神通】と二水戦司令部という、代えがたい存在を失いはしたものの、倍近い敵に対して1隻撃沈、5大破という大番狂わせをやってのけた。
【雪風】が被弾したという証言があるが、至近弾の可能性が高く、また直撃していたとしても不発と思われる。

勝因としては、E27逆探の性能、探照灯という諸刃の剣と次発装填装置を備える駆逐艦との好連携、アメリカは一番わかり易い艦を集中して狙う傾向が当時あったこと(「ルンガ沖夜戦、クラ湾夜戦」など)、戦闘距離が6km未満という近接戦であったことなどが挙げられる。
レーダーは距離が離れてこそ優位性が取れるのであって、6kmとなると流石に訓練されている兵士の目なら裸眼でも視認ができるし、双眼鏡なら言わずもがなである。

この海戦で【ホノルル、セントルイス】はそれぞれ1,000発以上の砲撃を【神通】に向けて発射している(命中弾ではない)。
ニュージョージア島、コロンバンガラ島の危機を救うために勃発した「コロンバンガラ島沖海戦」
【神通】は日本の盾となって、この輸送を成功させるために魂の最後の一欠片までを砲弾に詰め込んだ。
なお、この海戦以後、敵影を移す場合は照明弾を用いることになった。

この輸送は成功した、また第36.1任務群をほぼ壊滅させたことも大きな成果であった。
これによりアメリカの水上での妨害は魚雷艇などに格落ちし、駆逐艦による護衛や駆逐艦そのものでの輸送をする側としては大きな怖さはなくなった。
しかし代わりに空襲が激化し、輸送全体が安全に行われたわけではない。
この後も複数の艦艇が空襲で沈没している。

しかしアメリカの柔軟性の高さと切り替えの速さに、日本は常に遅れを取る。
なんとかニュージョージア島のムンダを制圧したアメリカは、今度は守備の堅いコロンバンガラ島を素通りして、コロンバンガラ島北西のベララベラ島へ侵攻してきたのである。
これにより日本は再び方針を変えざるを得なくなり、再び兵員の輸送、そして最終的にはコロンバンガラ島の放棄をせざるを得なくなる。

時間
12日0330日 第二水雷戦隊がラバウルを出撃
1840日 輸送隊がブインを出撃
2230日 雪風が米からのレーダーを探知
2235米 第二水雷戦隊を発見
2244日 水上偵察機より米4隻発見
2257日 雪風が前方からのレーダーを探知
2259米 ホノルルがレーダーで第二水雷戦隊を感知
2300日 輸送隊が警戒隊から離れる 戦闘態勢へ
2303日米 双方存在を視認
2308日 神通が米艦隊に探照灯を照射
米 砲撃開始
2313日 砲撃、雷撃開始 同時に次発装填のために距離を開ける
2322米 リアンダーが被雷により航行不能
日 神通が命中弾多数、被雷により航行不能
2336日 駆逐艦が魚雷の次発装填を終えて戦場に再来
2348日 神通が二発目の被雷により船体断裂
2356米 ホノルルがレーダーで複数の目標を探知
2357日 第36.1任務群を発見 スコールに紛れて接近
13日0005日 第二水雷戦隊が再びの魚雷発射
米 目標に対して反撃開始
0007~米 セントルイス・ホノルルが被雷
0014~米 グウィンが被雷
ブキャナンとウッドワースが衝突
0030日 神通を除き第二水雷戦隊が戦場を離脱
0036日 輸送隊がコロンバンガラ島へ到着
0145頃日 神通沈没

日本の圧勝

両者損害

大日本帝国連合国
沈 没
【神通】【グウィン】
大 破
【ホノルル】
 【セントルイス】
 【リアンダー】
 【ブキャナン】
 【ウッドワース】