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雪風【陽炎型駆逐艦 八番艦】その3

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「テキパキ」は設定上、前後の文脈や段落に違和感がある場合があります。

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熱望した水上戦でも敗北 レイテは海軍の墓場

10月に入るとアメリカがフィリピンのレイテ島へ上陸を開始。
かねてより「捷号作戦」が計画されていましたが、これが発動されて各部隊がぞろぞろと出撃を開始します。
国内にいても燃料がないので、どのみちどこかに出ないと動きが取れませんでした。
9月23日、【雪風】第十七駆逐隊は【扶桑】【山城】を護衛してリンガへ向かいましたが、この時時化の中で【浦風】の乗員が波にさらわれてしまい、【雪風】が救助しています。
【雪風】は本作戦の中心となる栗田艦隊に配属となり、栗田艦隊はリンガ泊地を出撃。
しかし【雪風】はここからブルネイに向かっているところでターボ発電機の歯車が欠けてしまい、使えなくなってしまいました。
急遽【大和】の艦内で代わりの歯車を工作してみたのですが、どうにもしっくりこず、止むを得ず出力の低いディーゼル発電機を充当することになりました。

栗田艦隊の最初の難関はパラワン水道でした。
本来は通過する予定がなかったパラワン水道ですが、補給の遅れなどからリスクを負ってでもショートカットしなければならず、止む無くこのルートを通りました。
絶対潜水艦が出るから気をつけろと言われていたのですが、気をつけて被害が収まるんならこれまで沈んできた船はみんな気をつけていなかったのか、となってしまいます。
なので気をつけても沈む時は沈むのです。

【米ガトー級潜水艦 ダーター、デイス】の攻撃で【愛宕】【摩耶】が沈没し、【高雄】は大破して撤退を余儀なくされました。
特に【愛宕】栗田艦隊の旗艦でしたから、もし轟沈していたら作戦はどうなっていたかわかりません。

翌日の「シブヤン海海戦」では裸の艦隊に対して断続的な空襲が艦隊を痛めつけ、遂に【武蔵】が力尽きました。
各艦主砲や機銃が叫び続けますが、日本の対空射撃に怯えるようなアメリカ軍人はいません、艦載機が次々飛びかかってきて、特に動きの鈍い戦艦や巡洋艦に向けて爆弾や魚雷をお見舞いしていきます。
一際ダメージを受けたのが【武蔵】で、何発もの魚雷を浴びせられ、艦首から1番砲塔までが水面スレスレにまで沈下した状態で落伍していく【武蔵】の横を【雪風】は通過しています。[2]

一方【扶桑、山城】を中心とした西村艦隊も、「スリガオ海峡海戦」で猛る炎に身を包みながら壊滅。
機動部隊を全て囮として出撃させた「エンガノ岬沖海戦」では、その身を挺してウィリアム・ハルゼー大将率いる第38任務部隊を栗田艦隊から引きはがしておびき寄せることに成功。

幾多の犠牲を乗り越えて、25日に栗田艦隊は明け方の水平線上にぼんやりとマストが見えているのを発見します。
いや、発見してしまったのです。
あれは間違いなく空母だ!
距離およそ30,000m、「サマール沖海戦」が始まります。

あれこそ我らが宿敵だと栗田艦隊が追いかける機動部隊の正体ですが、これまで散々苦しめられてきた【エンタープライズ】【サラトガ】ではなく、輸送という形で間接的に苦しめてきた護衛空母とその護衛の駆逐艦、タフィ3でした。
そんなことは露知らず、憎き空母を屠るために艦隊は全速力で機動部隊を追撃します。

最初は距離があるため戦艦や巡洋艦の砲撃ばかりで、第十七駆逐隊がいる第十戦隊は、戦艦から離れると空襲援護ができなくなるために我慢の同航を強いられます。
そして敵側も必死の逃走で、煙幕を炊いたりスコールを隠れ蓑として巧みに姿を眩ませ、砲撃もなかなか手応えがありません。

こんなチャンスは二度とないと誰もが思いながらも、気前よく撃ちまくる戦艦達を【雪風】達は羨ましそうに眺めるしかできません。
【雪風】達の仕事はここでも空にあったため、追ってくる【大和】達を退けようと飛びかかってきた艦載機に対して【雪風】達は機銃をバンバン撃ち始めました。

強弱をつけた航海で【雪風】は敵を追いかけ、速度差も利用して華麗な舵捌きで爆撃を回避していきました。
「機関科各部異常なし、士気旺盛、ディーゼル発電機、ますます好調」と淡々とした報告が入ります。
機械科と兵科の関係性は抜群で、物理的な距離があっても終始快適にフル運転ができたと当時の機関長竹内孝弟大尉は話しています。[3-P378]
他には速度を落としている間に走りながら整備を行うなど無茶苦茶なこともやっています。

そして「全軍突撃せよ」の命令で、待ってましたと駆逐艦達はついに長らく味わっていない雷撃戦に飛び込みました。
敵がとにかく逃げることだけ考えていれば、駆逐艦の砲撃は届きませんが、タフィ3に腰抜けは1人もおらず、駆逐艦が進路を妨害するために果敢に、しかもちゃんと不意をついて前に出てきました。
【雪風】も飛び出してくる敵駆逐艦との砲戦を何度か交えていて、撃沈に貢献しています。
【米フレッチャー級駆逐艦 ジョンストン】に砲撃を浴びせた際、爆雷か何かに誘爆して艦尾を吹き飛ばしたとも言われています。[3-P364][4-P266]

駆逐艦に邪魔をされながらも、じりじりと間合いを詰め、距離20,000mに迫ったところで、【雪風】は最初の魚雷を発射しました。
しかしこの魚雷は命中に相応しい衝撃が目に映らず(発艦があるため敵進路はブレないと判断したらしいですが、最大射程32,000mの酸素魚雷とは言え逃げる相手に20,000mはさすがに遠すぎる)、駆逐艦の追撃はまだ止まりません。
続いて空母まで距離10,000mほどに迫り、再び【雪風】の魚雷が4本発射されました。[3-P360]
当時はやがて起こった大きな水柱と爆発を目にし、【雪風】の放った魚雷が空母を撃沈したと報告し、艦内は大盛りあがりでしたが、これは残念ながら誤認で、遂にこの戦いでは日本軍の魚雷は1本も命中していません。

魚雷は命中しませんでしたが、栗田艦隊は大口径砲撃ができたため、最終的に【ジョンストン、ホーエル】【サミュエル・B・ロバーツ】を撃沈し、また【米カサブランカ級護衛空母 ガンビア・ベイ】も砲撃で撃沈させます。
その後【雪風】は集合の命令(「栗田ターン」ではない。まず戦艦では逆立ちしても追いつかない)に伴って、「空母を眼の前にして逃げられるか!【雪風】だけでも突撃する!」とブチギレながらも、再三の命令で引き返していきましたが、その時沈没した【ジョンストン】の近くを進んでいます。
感情的にはこれまでどれだけの仲間が同じ状況で無為に殺されたかを思い知れと、弾切れするまで機銃を撃ち込みたかったでしょう。
しかし機銃が放たれるやいなや、艦橋から寺内艦長「撃ち方やめ!ひどいことをするな」と射撃を止めさせました(この射撃は狙ったものではなく照準を合わせるための試射だったらしい)。
救助もしませんでしたが、【雪風】は敬礼をして【ジョンストン】の前を通り過ぎました。

しかし空襲と駆逐艦による雷撃が入り乱れる高難度の戦いでは、こちら側の被害は敵以上のものとなってしまいました。
【雪風】は海戦中に雷撃と爆撃を受けて航行不能となった【筑摩】の救助に向かいました。

ですが後で【大和】より【雪風】は原隊に復帰、救助には【野分】があたるように」と指示があり、【雪風】は役目を【野分】へと譲ります。
この交代が、幸運にも【雪風】を延命させました。
【野分】は沈没していた(?)【筑摩】の乗員救助を行いますが、艦隊から遅れて北上しているところを追撃の敵艦隊に見つかってしまい、【野分】は無数の砲撃を浴びて【筑摩】の乗員諸共沈没してしまいました。

さらに同じく航行不能になっている【鈴谷】の救助のために接近した【雪風】【沖波】ですが、この時【鈴谷】は甲板が破壊されていて、一部の兵員が甲板に登れずに閉じ込められていました。
接近する【雪風】からは、舷窓からこちらに必死に、本当に死を目前にしている者にしかできない顔と声で助けを求めている兵士達が見えました。[2]
しかし【鈴谷】の姿は誘爆により悲惨の一言で、二次被害を恐れて迂闊に接近もできません。
そして彼らの声を嘲笑うかのように、再び【鈴谷】で爆発がおこり、次の瞬間には人の声はしなくなりました。

それでも沈没はしておらず、【鈴谷】の救助は続きます。
ですが【雪風】にはやがて原隊復帰の命令が入ったため、【鈴谷】の救助は【沖波】ただ1隻で限界まで続けられました。

「マリアナ沖海戦」を上回る空前絶後の損害を被った日本の負の連鎖はまだ止まりません。
撤退した栗田艦隊はブルネイへ帰還し(【雪風】【磯風】以外は燃料不足のためコロン止まり)、各艦できるだけ修理を行って台湾経由で日本に戻ることになりました。
ブルネイ滞在中も空襲があり、この戦いの中で【雪風】は1人水兵長が戦死しています。
さらに11月21日、その帰路で【米バラオ級潜水艦 シーライオン】が日本の戦艦を長年率いてきた【金剛】と第十七駆逐隊の僚艦【浦風】を沈めます。
【金剛】が被雷したのはみんなわかっていたのですが、【浦風】の沈没にすぐに気づいたのは【雪風】だけのようです。

この【浦風】沈没も、実は【雪風】の幸運力が働いたかもしれません。
戦死者を持って幸運と表現するのは良くないでしょうが、【雪風】は少し前から第十七駆逐隊旗艦でありました。
しかしこの亡くなった水兵長の水葬が執り行われる関係で出港準備が遅れることから、臨時で旗艦が【浦風】に継承され、そして旗艦配置として【浦風】【金剛】の右舷を担当したのです。
【雪風】が旗艦になっていると、【金剛】の右舷には間違いなく【雪風】がいたでしょう。

後方から【浦風】沈没の瞬間を目の当たりにした【雪風】でしたが、水柱が上がったと思ったら、すぐに【浦風】の姿は跡形もなく消え去ってしまいました。
とにかく戦艦を護衛しないとと【雪風】【大和】達の方へ移動したのですが、他の駆逐艦も護衛や【金剛】の乗員移乗に集中していて、【浦風】乗員の捜索は全く行われませんでした。
【金剛】が長い時間を欠けて沈没した後にようやく探し始めましたが、もう何もかもが手遅れでした。

 

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撃退の好機は臆病風に飛ばされる 悲哀信濃の処女航海

本土到着後、【長門】を護衛して横須賀に入った第十七駆逐隊。
11月15日に第十戦隊は解隊され、第十七駆逐隊は二水戦所属となっていました。
しかしこれほどの長旅、激戦を繰り広げても、駆逐艦に休息の機会は与えられません。
戦闘用空母は全て沈没したと思われていますが、まだ日本にはとんでもない空母が残されていました。
「大和型戦艦」【信濃】です。

ただ艦載機も燃料もないのにこんなでっかい空母が現れても、今更何もできません。
双発機運用ができればまだ救いがあったかもしれませんが。

そんな遅すぎた秘密兵器を、第十七駆逐隊は戻ってからすぐに呉まで護衛することになりました。
横須賀は熟練工がほとんどいなくなり、学徒動員などで素人に毛が生えたような工員が大勢働いていました。
また横須賀には【B-29】の飛来から空襲が近々行われるという懸念もあり、呉まで避難しそこで工事を済ませてしまおうと考えられたのです。
この時【信濃】は記録上では竣工していますが、まだ工事はたくさん残されていて、移動中ですら【信濃】では工事が続行される有様でした。

その【信濃】護衛を巡っては、昼間突破と夜間突破で意見が割れます。
駆逐艦組は口をそろえて、まだ潜水艦を見つけやすく、哨戒機も飛ばせる昼間にできるだけ沿岸を通って移動することを勧めます。
なにせ【金剛】【浦風】を暗闇の中で失ったばかりですし、【雪風】「レイテ沖海戦」の中で水中聴音器が壊れていました。
【磯風、浜風】の損傷も同様で、無論、帰投則出撃なので1隻たりとも修理されていません。

ですが【信濃】艦長の阿部俊雄大佐は夜間に20ノット超で駆け抜ける方が空襲の危険もないという考えを譲りません。
無い袖は振れない軍令部は、この【信濃】回航に際してただの1機の護衛機も就けないというのです。
もうジリ貧とは言え本土に飛行機がないわけないので、絶対に回せる機体はあったはずですが、やる気があるのかないのか全くわかりません、最終兵器やぞ。
結局空襲を危惧するか夜襲を危惧するかで割れた意見は、水雷屋の反対を押し切って夜間外洋ルートを突破する案で決まり、11月28日、【信濃】と第十七駆逐隊は横須賀を出発しました。

夜間航行中、早速【信濃】を捉えた潜水艦が現れました。
【米バラオ級潜水艦 アーチャーフィッシュ】です。
【信濃】も電探が潜水艦を探知し、【雪風】に捜索にあたらせたといいますが、この時【雪風】【信濃】の後方に捜索に向かった一方で、【アーチャーフィッシュ】側はこの時【信濃】の前方にいたと記録しています。
【雪風】は探索の結果漁船ではないかと報告の上引き返しています。

この他前方への不審な存在に対して【浜風】(と【雪風】?)が接近をしていますが、護衛が減ると万が一それが潜水艦ではなかったときに丸腰同然になるということから、阿部艦長は深追いを静止。
こちらでは矛盾がないため、この正体は【アーチャーフィッシュ】であろうと思われます。

【アーチャーフィッシュ】はこの接近によって退避を迫られ、この間に【信濃】との距離がひらいてしまいました。
実際【アーチャーフィッシュ】の浮上速度は19ノットが最大で、【信濃】達が脇目も振らずに真っすぐ進み続ければいずれは引き剥がす事ができたのです。
【アーチャーフィッシュ】【信濃】達の右側、つまり日本列島側から必死に追いかけます。

ところがこの後全身突貫工事だった【信濃】の弊害が出てきます。
右舷の中間軸受が加熱してきたので、速度を落とさざるを得なくなったのです。
この前に念のために之字運動も開始していたのですが、この軸受加熱があれば之字運動してようがしてまいが減速せざるを得なかったので、結果だけみると阿部艦長の判断ミスではなく【信濃】自身の問題だったと言えるでしょう。

遅くなったらしめたものです、【アーチャーフィッシュ】はこの機を逃さずに午前3時すぎに魚雷を6本発射しました。
1,280mの距離で放たれた魚雷は4本(諸説あり)が【信濃】に命中。
4本の魚雷を受けてもすぐに沈みはしないのはさすが【信濃】ですが、定数より圧倒的に少ない乗員の数、工事中で配線が邪魔をする、そして広すぎる、などといった悪条件が重なりあったため、傾斜はどんどん増して速度も落ちるばかり。
やがて停止した【信濃】を曳航しようと【磯風、浜風】が必死に引っ張りますが、相手は元戦艦でしかも大量に浸水していますからビクともしません。
結局【信濃】はこのまま何もできずに沈没していきました。

【雪風】は長大な【信濃】から脱出する乗員を救助します。
ですが阿部艦長は脱出を拒み、当時世界最大だった空母とともに海深くに沈んでいきました。
ここで助けを求める人たちが捕まっていたのが、行きがけの駄賃とばかりに積まれていた「桜花」と言いますから、笑うべきか泣くべきか。
またこれも後の祭りなのですが、【信濃】が沈んでから護衛の3隻は九三式水中探信儀が三式水中探信儀に換装されています。

昭和20年/1945年1月24日、【雪風】と対をなす不死身の艦【時雨】が潜水艦に襲われて沈没。
この輸送(ヒ87船団)には【雪風】も参加予定だったのですが、過労による機関故障で整備が必要となり参加できなかったのです(参加しても他の第十七駆逐隊が途中までの護衛だったので、【時雨】を守れたかと言われると無理っぽい)。
【瑞鶴】もすでにこの世を去っており、これで強運を誇った艦は【雪風】【羽黒】だけとなっていました。

【武蔵】が敗れ、【信濃】が斃れ、残された【大和】は。

昭和20年/1945年、【雪風】「回天」や夜間空襲の標的艦として訓練に参加していました。
3月19日の「呉軍港空襲」では係留された状態でも敵機を撃墜しておりますが、めちゃくちゃに撃ちまくったことを後で艦長に怒られています。[3-P428]
この戦いでは最低3機の撃墜を報告しています。[3-P407]

そして25日、「天一号作戦」が発令されます。
もはや敗北は決定的、しかしこのままむざむざやられてなるものかと、日本は【大和】を中心として沖縄上陸を目指す米軍に玉砕必至の特攻を敢行することになるのです。
時代は航空戦、そして米軍は大小様々な空母を量産しています。
いかに世界最強の戦艦【大和】を要しようしようとも、空母1隻すら残されていない日本の勝率はゼロでした。

玉砕、特攻。
この言葉通り、各艦の乗員は生きて帰ることはないだろうと遺書や遺品を残していきました。
また、「菊水一号作戦」(「天一号作戦」中の特攻第一弾)の名の通り、楠木正成公の武運信念にあやかる菊水マークも各艦の煙突に記されました。
ところが【雪風】寺内艦長の命令でこれを禁止。
ただ遺品や遺言に関しては郵便物の届け出が許可されていて、これは禁じられていません。

出撃前日の宴会も普段と同じ。
皆死は覚悟したものの、それはこれまでだってずっと覚悟しているので、今回に限って特別な思いというものもない。

ですが一方で、実質的な特攻作戦であることは、より生を意識させることでもありました。
特攻というのは十死零生ですから、出たら最後、死ぬ作戦なのです。
もし船が無事に沖縄に到着したとしても、乗員は弾を撃ち尽くした後は沖縄に上陸して死ぬまで敵を殺せってんですから、生きることを想定していません。
しかも今回の作戦は半ば象徴的なもの、プライドのためのもので、「この作戦に価値があるのか?」と疑問と怒りが湧き上がるのも無理からぬことです。
名誉の死ならともかく、犬死になんてまっぴらごめんです。
死の覚悟と裏腹に、これまでよりも「生きて帰ってやる!」という決意が高まったことでしょう。

母の顔、父の顔、地元の友の顔。
しかしそれをかき消すように、仲間の屍、身内の葬式で見た親族の死に顔、どんどん思考があの世に向います。
死は覚悟しても、死という概念はあまりに遠い。

学徒出陣により無理やり下士官として配属された少尉が、兵曹に「明日本当に死ぬのだろうか」と問うたといいます。
いくら死を覚悟しろと言っても、学徒出陣組が熟練の兵員と同じ覚悟を持つことはできません。
腕時計のカチカチという音が、まるで己の命を刻一刻と削っているかのように感じる。
戦争は死を覚悟することと、死とは何かを問う哲学、生きて帰るという決意が相まみえる、異様な世界なのです。
【雪風】は、死に飲み込まれずに、生きて帰ってくることを信じていました。[2]

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参考資料

Wikipedia
艦これ- 攻略 Wiki
NAVEL DATE BASE
大日本帝國海軍 特設艦船 DATA BASE
[1]戦争アーカイブ「特攻兵器の目標艦に」
[2]BS1スペシャル 少年たちの連合艦隊~”幸運艦”雪風の戦争~
[3]『雪風ハ沈マズ』強運駆逐艦 栄光の生涯 著:豊田穣 光人社
[4]奇跡の駆逐艦「雪風」太平洋戦争を戦い抜いた不沈の航跡 著:立石優 PHP文庫
[5]駆逐艦雪風 誇り高き不沈艦の生涯 著:永富映次郎 出版共同社