起工日 | 昭和19年/1944年6月22日 |
進水日 | 昭和19年/1944年9月30日 |
竣工日 | 昭和19年/1944年12月15日 |
退役日 (処分) | 昭和22年/1947年10月29日 |
建 造 | 横須賀海軍工廠 |
基準排水量 | 1,262t |
垂線間長 | 92.15m |
全 幅 | 9.35m |
最大速度 | 27.8ノット |
航続距離 | 18ノット:3,500海里 |
馬 力 | 19,000馬力 |
主 砲 | 40口径12.7cm連装高角砲 1基2門 |
40口径12.7cm単装高角砲 1基1門 | |
魚 雷 | 61cm四連装魚雷発射管 1基4門 |
機 銃 | 25mm三連装機銃 4基12挺 |
25mm単装機銃 8基8挺 | |
缶・主機 | ロ号艦本式缶 2基 |
艦本式ギアード・タービン 2基2軸 |
外の世界を知るのは終戦後 欅
【欅】は竣工後、第十一水雷戦隊で訓練を続け、3月1日に【楢】とともに第一海上護衛隊の指揮下に入ります。
指揮下に入るということは編入されたという意味ではなく、この時【欅】も【楢】もまだ第十一水雷戦隊所属のままです。
つまり【欅】も【楢】も訓練が完了したとみなされてはいないわけです。
【欅】の初任務はヒ99船団の護衛でした。
ヒ99船団は【第五山水丸】1隻を【欅、楢、朝顔】と【宇久、新南】の5隻で護衛するというもので、ヒ船団ほどの重要航路が輸送船1隻という、当時の貧相っぷりが如実に現れている構成でした。
ところがヒ99船団は12日に六連を出港した後、朝鮮半島の端っこ付近にある居金島で仮泊中に作戦中止が言い渡されました。
戦況悪化が原因とされていて、これで【欅】達は残念ですが日本に引き返していきます。
15日、【楢】【櫻】【柳】【椿】【橘】とともに第五十三駆逐隊を編成し、さらに4月6日からは第三十一戦隊の指揮下に入ります。
5月22日には大阪警備府部隊の指揮下へと移り、活動拠点も瀬戸内海から神戸へと変更になりました。
本当なら【欅】ら瀬戸内海にいる駆逐艦は、呉にほど近い場所だと被害を受けやすいということで舞鶴に向かう予定だったのですが、移動中の25日に【櫻】が機雷に接触。
舵故障などの被害から舞鶴へ向かうことはできなくなり、【欅】と【楢】が護衛して、門司に寄港後呉に引き返すことになりました。
危険地帯となった瀬戸内海に閉じ込められた【欅】達は、迂闊な行動もできずそのまま終戦を待つしかありませんでした。
7月11日には神戸から友ヶ島へ避難をする際に【櫻】がまたしても触雷し、沈没。
5日には第十一水雷戦隊と第五十三駆逐隊も解散となり、特殊警備艦として残り1ヶ月を過ごします。
戦後、数少ない無傷の船だった【欅】は復員船として各地と日本を往復します。
昭和22年/1947年7月にアメリカへ賠償艦として引き渡されますが、10月29日に房総半島の近くで標的艦として海没処分されました。