②昭和18年/1943年(甲板延長時)
起工日 | 昭和10年/1935年6月20日 |
進水日 | 昭和11年/1936年6月19日 |
竣工日 | 昭和15年/1940年12月27日 |
退役日 (沈没) | 昭和19年/1944年10月25日 |
(エンガノ岬沖海戦) | |
建 造 | 横須賀海軍工廠 |
基準排水量 | ① 11,200t |
水線長 | ① 201.43m |
② 210.00m | |
垂線間幅 | ① 18.00m |
最大速度 | ① 28.0ノット |
② 28.3ノット | |
航続距離 | ① 18ノット:7,800海里 |
② 18ノット:9,286海里 | |
馬 力 | ① 52,000馬力 |
装 備 一 覧
昭和15年/1940年(改造時) |
搭載数 | 艦上戦闘機/21機 |
艦上攻撃機/6機 | |
補用機/3機 | |
格納庫・昇降機数 | 格納庫:2ヶ所 |
昇降機:2機 | |
備砲・機銃 | 40口径12.7cm連装高角砲 4基8門 |
25mm連装機銃 4基8挺 | |
缶・主機 | ロ号艦本式ボイラー 4基 |
艦本式ギアード・タービン 2基2軸 | |
飛行甲板 | 長180.0×幅23.0 |
昭和18年/1943年(甲板延長時) |
搭載数 | 艦上戦闘機/21機 |
艦上攻撃機/6機 | |
補用機/3機 | |
格納庫・昇降機数 | 格納庫:2ヶ所 |
昇降機:2機 | |
備砲・機銃 | 40口径12.7cm連装高角砲 4基8門 |
25mm三連装機銃 10基30挺 | |
25mm単装機銃 16基16挺 | |
缶・主機 | ロ号艦本式ボイラー 4基 |
艦本式ギアード・タービン 2基2軸 | |
飛行甲板 | 長195.0×幅23.0 |
輸送に戦闘に縦横無尽 小柄な主力 瑞鳳
【瑞鳳】は元は【剣埼型高速給油艦 高崎】であり、「ワシントン海軍軍縮条約」「ロンドン海軍軍縮会議」の空母保有制限の対策として建造されました。
空母自体は建造できませんが、空母に似たものを造ることはできたため、日本は3ヶ月ほどの時間があれば空母に改装できる船を建造することにしました。
その候補は【剣埼型高速給油艦 剣埼】【高崎】と【水上機母艦 千歳、千代田】、そして【潜水母艦 大鯨】でした。
条約破棄によって、まずは高速給油艦への建造が一時停止となっていた【剣埼】が、潜水母艦へと改装されます。
続いて【高崎】も後に続いたのですが、潜水母艦への改装工事中に「開戦間近だしもう空母にしてしまおう」ということになり、姉とは違って潜水母艦になることなく空母へと改装されました。
【瑞鳳】も【祥鳳】同様、ディーゼルタービンが結局蒸気タービンへと置き換えられることなどから空母になるまで1年近くかかっていますが、空母化への改造は【瑞鳳】のほうが早かったため、空母として誕生したもまた、【瑞鳳】のほうが先でした。
出典:『軍艦雑記帳 上下巻』タミヤ
さて、姉の【祥鳳】は竣工後の初陣「珊瑚海海戦」で集中爆撃を浴びて沈没してしまいますが、一方【瑞鳳】はうって変わって多数の作戦に参加します。
さらに【瑞鳳】は軽空母で燃費も良かったため、主力部隊でありながら輸送任務も多数担っており、引き手数多の空母でした。
初任務はその輸送任務であり、【零式艦上戦闘機】をフィリピンへと送り届けています。
また戦闘はしていないものの初陣は「ミッドウェー海戦」で、しかもそのまま「アリューシャン方面の戦い」にも参加しています。
その後も「南太平洋海戦」や「ビスマルク海海戦」「マリアナ沖海戦」「レイテ沖海戦」など、「ミッドウェー海戦」後の主戦場には必ず【瑞鳳】の姿がありました。
これらの海戦はほぼ負け戦だったために活躍したとは言いがたいですが、その合間も輸送任務を積極的にこなすなど、休む間もなく働き続けました。
また、対潜哨戒艦としての役割も担い、対潜部隊として名高い第九三一海軍航空隊と【九七式艦上攻撃機】を載せ、護衛艦としても走り回っています。
昭和19年/1944年7月10日時点の兵装 |
高角砲 | 40口径12.7cm連装高角砲 4基8門 |
機 銃 | 25mm三連装機銃 10基30挺 |
25mm連装機銃 4基8挺 | |
25mm単装機銃 30基30挺(うち2基橇式) | |
電 探 | 21号対空電探 1基 |
13号対空電探 1基 |
出典:[海軍艦艇史]3 航空母艦 水上機母艦 水雷・潜水母艦 著:福井静夫 KKベストセラーズ 1982年
【瑞鳳】は「レイテ沖海戦」で最後まで逃げまわった空母です。
完全な囮となった機動部隊は、道中で徐々に落伍、沈没していくという痛ましい海戦でしたが、旗艦【瑞鶴】がついに力尽きてからも必死に回避行動を続けました。
爆弾が1発2発と【瑞鳳】を襲い、じわじわと体力を削いでいきます。
速度が落ちてきたところに立て続けに魚雷が【瑞鳳】に直撃し、どんどん右へ傾斜、そしてついに航行不能となりました。
最後は船体が二つに割れ、ここに【瑞鳳】の命運は尽きてしまいました。
【瑞鳳】はそれは穏やかに沈んでいき、波が脱出した乗員を優しく船体から離れるように送り出したといいます。
特に特徴があるわけでもなく、最新鋭でもなかった【瑞鳳】ですが、軽空母ならではの強みを活かし、八面六臂の活躍を続けました。
その奮戦ぶりは戦争前半の【龍驤】に似たものがあります。